こづゆ
これの作り方さえマスターすればオッケー。
たぶん。
里芋、にんじん、干し貝柱、豆麩、きくらげ、糸コンニャク、ぎんなんの
7種類の具が入っています。
「こづゆ」は会津の代表的な郷土料理です。 「煮肴」とも呼ばれ、古くは「露」と呼ばれていました。 もともとは武家料理で、会津藩主が食べた「重(じゅう)」という食べ物がルーツと言われています。 現在はお正月、結婚式、節句など、おめでたい時に必ず作られます。 結婚式場の披露宴の料理にも、こづゆは登場します。 ・・・・・・・・・ こづゆは「普通に美味しい具沢山しょうゆ汁」です。 なので、おそらく他地域の方は「フーン」って感じだと思います。 しかし、我々にとってこづゆは思い入れのある大切な料理です。 こづゆはお目出度い時に作る料理なので、 必然的に「楽しい思い出」と結びついているのです。 特別で大切な料理なのです。 そして、会津人は大好きな料理です。 「お正月にこづゆが食べられるのが楽しみ〜」と皆言います。 今でも愛されつづけている郷土料理です。 スバラシイ。 |
※下記レシピは管理人の作り方です。
これが正しいという訳ではありません。
人参、里芋、糸コンニャク、ぎんなん、豆麩、きくらげ、干し貝柱。 (干し貝柱のみ、前回使って残ったものです(笑) こづゆの具は7種類です。 これ以上でもこれ以下でも、こづゆとは呼べません。 例えば、山菜・しいたけなどが入っているものもよく見かけますが、 上記7種類以上、またはそれ以外が入ると 「ざくざく煮」という名称になります。 ・・・と、民俗学に非常に詳しい人(会津人)が言っていました。 間違いないと思います。たぶん。 |
まず、干し貝柱を水に浸して戻します。 半日〜1日くらい浸してください。 貝柱のダシが、こづゆの味の決め手です。 貝柱はケチッてはいけません。 こづゆの真髄は貝柱に有りと言っても過言ではありません。 会津は海から遠いので、海産物は高級品でご馳走でした。 その貝柱をふんだんに使う事が、おもてなしの心の現われなのです。 中くらいの鍋で作るなら、小ぶりのもので10個程度でしょうか。 今回は貝柱がちょっと少ないかもしれません。 でも、残りの貝柱でもう一度こづゆを作りたいので(^^; |
きくらげも、水で戻しておきます。 充分に戻ったら、小さく切っておきます。 |
豆麩(白玉麩)も水に浸しておきます。 豆麩(白玉麩)は会津限定の品かもしれません。 他所の地域で作る場合は、口解けの良い麩で代用してください。 |
人参は皮をむき、小さくいちょう切りにします。 太い部分は8つ切りにしてもいいかもしれません。 とにかく小さく切ってください。 |
里芋も皮をむき、小さく切ります。 人差し指の先くらいかな? とりあえず小さく切ってください。 |
下茹でします。固ゆででオッケーです。 私は人参と里芋を一緒に茹でてしまいます。 人参のほうが火が通りにくいので、里芋は少し時間をおいてから鍋に入れてください。 下茹でをサボってはいけません。 私も以前「野菜からもダシが出るし、栄養が勿体無い」と、 そのまま味付けをしていたのです。 しかし、下茹でをしないとせっかくの貝柱のダシがダメになってしまうのです。 普段なら美味しい野菜のダシも、こづゆに限っては雑味です。 下茹でして、野菜のダシは排除します。 |
柔らかくなりすぎないうちに、茹で汁を切ります。 茹でているとき、同時進行で沸かしていたお湯を加えます。 これがこづゆの汁になります。 こづゆは具沢山でなければならないので、 お湯は加えすぎないで下さい。 |
糸コンニャクは、食べやすい長さに切って下茹でします。 下茹でしないとコンニャク臭さが残ってしまいます。 茹で汁を捨て、人参と里芋の鍋に投入します。 切っておいたキクラゲも投入します。 |
→ 干し貝柱は、充分に戻ったら手でほぐして鍋に投入します。 貝柱は、具というよりはダシなので 細かい方がいいのです。 丸ごと入れても、どのみち木っ端微塵になりますが(笑) |
人参、里芋、糸コンニャク、キクラゲ、貝柱が入った鍋に しょうゆを入れます。 干し貝柱のダシを殺さぬよう、あくまで薄味にして下さい。 薄味なのがこづゆです。 |
ぎんなんを煎り、殻をむいて鍋に投入します。 |
最期に豆麩を入れます。 ぎゅっと水気を切ってから加えて下さい。 豆麩に火が通ったらできあがりです。 言われた通りに作ったら、今までで一番旨くできました(^^) ポイントは、きちんと下茹でして、貝柱の旨みを生かす事ですね。 |
本当は、こづゆには専用の器があります。 手塩皿と言います。 浅いお椀で、漆塗りです。 しかし、私は持っていないので普通のおわんで代用しています。 箸置きはピカチュウにしてみました。 |
こづゆ拡大。 ちょっと具の切り方が大きかったかも〜。 こづゆは何杯お代わりしても良い決まりになっています。 なので、大鍋いっぱいに作ります。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 地元の料理屋などでもこづゆを食べることができますが、 お店ではおかわりができません。 お代わりができないこづゆ・・・。 これではこづゆの真髄を味わう事ができません。 そしてお値段も安いとはいえません。 小さい手塩皿にさらっと一杯で400円〜450円しますからね。 高すぎ。 それなら「会津っぽ」でラーメン(380円)を食べたほうが良いです。 そして、貝柱が高価なせいか、干ししいたけのみでダシをとっていたりします。 うーん、それじゃこづゆじゃないよ。 旨いけど、似て非なるものだよ。 という訳で、皆様もご自宅で作ってみて下さい。 |
余談ですが・・・。 会津っ子の皆様に聞いたところによると、 「うちはナルトを入れるよ」 「うちは干ししいたけも入れるよ」 「うちは山菜も入れるよ。蕨とか。あと小さいタケノコとか」 「ちくわも入れるよ」 と、ご家庭によって具も様々です。基本を押さえて、各ご家庭オリジナルな味にするのもいいかもしれません。 でも、個人的には「干し貝柱のダシ」が決めてだと思うのです。 海から遠い内陸部で、海の高級食材をふんだんに使う、というのがおもてなしのポイントなのです。 という訳で、あまりダシの出るものは入れないほうがいいのではと思います。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ そして、私の母は天領出身なので、こづゆにこっそり大根が入っています。 おかーさん、大根入れちゃうと「ざくざく煮」だよ・・・。 ※天領ってのは幕府領のことです。奥会津は「会津藩」じゃありませんでした。だから文化も異なります。 ※よって、母の出身地にこづゆは無いです。ざくざく煮という、こづゆに似て非なる料理があり、それには大根が入っているのです。 |