2005年

雪の鶴ヶ城 2




「わたくしが鶴ヶ城三の丸よりお送りいたします。
天気が良いので雪がキラキラと輝いております。」








「申し遅れました。わたくしはミカン頭です。
大勢居るミカン衆を率いております。
頭の葉っぱと顔の輪郭、尻尾の配色等が彼らとの相違点です。
以後お見知りおき下さい。」

※本日ミカン衆は非番です。








「ここは城の三の丸です。雪像が沢山作られております。
そういえば、先日の県内ニュースにより『子供達が作った』という情報を得ております!」」








「急いで確認いたします!」

ダダダー!!







「ミッキー?」








「背後に回り込んでみました!ミッキ−は滑り台になっております!
わたくしも滑ってみました!」







「今年の干支にちなんだ鶏のようです。
卵から雛が孵化している様を表現しているようです。」








「トンネルを潜ってみました!」








「つがいの鶏でしょうか?」








「おお、これは『飢餓感を持つ人々に自らの顔を食させる』という
自己犠牲の典型、正義の味方の像ですな。
わたくしは、彼を見ると、釈迦の前世を描いたという『捨身飼虎』図を思い出します。」









「赤いオープンカーです。扉が開いていて乗り込むことができるようです。
来年は是非ともガルウイングにして欲しいです!」

※わたくしはドアの上に居ります。








「赤べこの上にスライムが乗っています。」







「ラブリーフォルムな鶏ですね。」








「てんぐの面は、文字通り鼻っ柱をへし折られております。」









「たれ赤べこ・・・」









「という訳で、三の丸から二の丸へ進みます。」








「本日は天守閣がよく見える気がいたします。」









「帯郭の石垣は雪の壁になっております。」








「天守閣です。
人が居たので、わたくしはポケットに身をひそめております。」








「記念撮影ですか?」








「人間の皆様はここで
有料にてプロのカメラマンに撮影してもらえます。」








「は〜、ちょっと一服。」








「麟閣の屋根に乗せられました。
天気が良いので雪が溶け出しております。」








「月見櫓付近より天守閣と本丸を望む。」









「走長屋が格好良いですね」









「我が殿のお住まいである本丸御殿があった場所は、
戊辰戦争で小田山からの砲撃により破壊され、
明治期に取り壊されて、現在は何もありません。」









「乾飯櫓も、冬は木々の葉が落ちてよく見ることができます。」











「走長屋と南走長屋とを繋ぐ鉄門は、冬季は閉鎖されています。
表が見たい方はぐるりと回りこんでください。」








「天守閣の東側にある水のみ場です。」








「何と、こんな由来のある水のみ場でした。」









何かの本で読んだ受け売りですが、この再建された天守閣は、
戊辰で散った人々への巨大な慰霊碑としての役割を担っていると思います。

そう考えれば、城として機能していたそのままの姿ではない、
文化財的価値の無い鉄筋の天守閣であっても、
非常に価値あるものに思えます。

例えば、私のご先祖の一人は、戊辰戦争により城の敷地内で亡くなっているようです
城の敷地内ということは、篭城中、小田山からのアームストロング砲による砲撃で亡くなった可能性があります。という事は、城が砲撃により破壊されてゆく様を見ていた可能性があります。

だとしたら、鉄筋でだって何だって、破壊された大切な城が再建されたら喜ぶと思います。
そういう意味で「慰霊碑」としての価値は大アリです。


※ちなみに、石垣は、蒲生時代の野づら積みで、文化財指定されているはずです確か。天守閣を再建する際、文化財の上に天守閣を作る許可をもらったはずです。そして天守閣は大切な石垣に負担をかけないように、4本の巨大な鉄筋だけで支えているはずです。

※現在の天守閣と走長屋は郷土博物館になっています。
個人的には、展示方法や内容など、充実していてかなり好きです。








「空が青いです。」








「二の丸のテニスコートは、冬季間は使えません。
軟式の球だと、わたくしのようにフェンスにはまってしまう事があります。」









「南側の壕を西側から臨む。
実は、昔の天神口がどこなのか気になっているので、今から探してみます。
現在の南口は、かつての東照宮のど真中を突っ切る形になっているので不満なのです。」








「すわ!」







「ここに出ました。多分正解だと思うのですが・・・。
ここから入って右に曲がると、三の丸南門跡にぶつかるはずですが、
雪が積もっている為、きちんと確認できませんでした。」








「戊辰戦争・天神橋口の戦いで血に染まった湯川です。
城の南側を守る為の戦いでした。
その湯川は、市内からトラックで運び込まれる雪で一杯です。
何と湯川のなかにショベルカーが入って作業しています!」









「この塊は、全て雪で出来ています。
左側に見える電信柱から右側は全て雪です。
ここは雪捨て場なのです。
トラックを持っている人はここまで運んで捨て、それを業者(?)が始末しているのです。」








「個人も業者も捨てにきます。
このままだと湯川がせき止められる為、ショベルカーが雪を崩して川に流しているのでしょう。」









「巨大な作業車が乗っても大丈夫なんだ・・・100%雪だけの塊なのに。」








「今、車両が乗っかっている部分は全部雪で出来ているので、
あまり際まで車を寄せると崩れますよ〜。」


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